理論と実践
ゴルフは理論と実践を共に学んでいく必要がある。いくら理論だけを一生懸命学んでも上手くはならないが、実践だけよりも理論も一緒に学んだ方がより上達が早い。
まずは理論通りやってみる。しかしうまくはいかない。
それで試行錯誤してみる。そのうち上手くいくようになる。
気が付くと理論の最初に書いてあったことに気がつく。
『あ〜あのことはこういう事だったのか』と初めて肌で理解する。
この肌で感じることが重要である。
また、上達の課程でこの肌で感じることがだんだん変化する。
最初に肌で感じて『これだ、これだ』とわかった気持ちでいるが、さらに上達してくると、その理論のさらに深い意味が理解できるようになる。
だから実践を積み、また理論に戻る。
この繰り返しが大事なのである。
これは果てしない永遠の繰り返しであると思っている。
素直な気持ち
人の話をよく聞く、素直な人が上達が早いように感ずる。
もちろん人は千差万別、人の話が常に正しいとは限らないし、その人のやり方が自分に合うとは限らない。
しかし、まずはその通りやってみること、やってみれば自分に合っているか否かが解ってくる。
また、その人の言葉どうりではないが、新たな発見があるかも知れない。
やってもいないで、頭からそれはダメと決めつけてしまう石頭では、せっかくの伸びるチャンスを自ら摘んでしまうようなものである。
アドレスとグリップ
ゴルフの基本は結局のところ、アドレスとグリップに戻ってくるように思う。
最初はスタンス、グリップが基本と教えられ、その通りにしてみるが、そのうち体重移動がどうの、バックスイングがどうの、フォロースルーの高さ、向き、左の壁など、上達するに連れていろいろと知識を詰め込んでいるうちに、基本のスタンスとグリップの大切さを忘れてしまう。
ボールの飛ぶ方向はインパクトの瞬間のフェイスの向きと、クラブヘッドの軌道で決まる。
従って、インパクトの瞬間のフェイスの向きをアドレス時の状態に戻す為には、正しいグリップでスイング軌道が正しく降りてこなければならない。
スイング軌道が正しく降りてくるためには、トップの位置が正しくなければならない。
トップの位置を正しい位置に決めるには、バックスイングの軌道が正しく上がられなければならない。
バックスイングの軌道が正しく上がるためには、グリップとスタンスが正しくないとならない。
従って、グリップとスタンスがスイングの基本であり、最も重要な要素であるといえる。
極論を言えば、変則打法だろうが、スウェイしようがインパクトの瞬間のフェイスの向きと、クラブヘッドの軌道が真直ぐであれば良いわけである。
しかし、グリップが悪ければ正しいトップの位置におさまらない。
それを無意識に体が修正しようとしてスイング軌道が乱れる。
ボールの位置と体からの距離そしてスタンスの方向が、毎回バラバラでは球筋は安定しない。
言い換えれば「正しいアドレスとグリップが、正しいスイング軌道をつくり、インパクト時にアドレスした通りにフェイスを戻しやすくする」といえる。
別の言い方をすれば「スイングをシンプルにする」ということである。
そういう意味で、最近はこのアドレスとグリップがスイングの基本として重要であることを実感している。
スイング軌道、フェイス面の傾き、球筋の関係
スイング軌道とフェイス面の傾きによる球筋の関係は大きく分けて下図のようになっている。
この関係を頭に入れて、常に球筋をみてスイング軌道を修正すべきか、ヘッドのフェイス面の傾きを修正すべきかを判断し、適切な方を修正をしていかなければならない。
もちろん練習場だけではなく、コースに出てからも常に球筋をチェックすべきである。
コースに出てからは、球筋だけではなく、ターフの取れ具合、深さ、方向などを見極めて修正を行う必要があるが、ターフに付いては次回とする。
クラブのスイング軌道は下図の軌道A・B・Cの3種類である。
クラブのフェイスの向きは向きA・B・Cの3種類である。
これらの組み合わせにより、球筋は球筋A・B1・B2・C1・C2の5種類なる。
- 軌道Aで向きAならば球筋Aのストレートボールである。
- 軌道Aで向きBならばやや左に飛んで落ち際に左に切れる球筋B1のドローボールとなる。
- 軌道Aで向きCならばやや右に飛んで落ち際に右に切れる球筋C1のフェードボールとなる。
- 軌道Bで向きAならば真直ぐ飛んで落ち際に右に切れる球筋C1のフェードボールとなる。
- 軌道Bで向きBならば真直ぐ左に飛び出す球筋B1の引っ掛けボールとなる。
- 軌道Bで向きCならば右に飛び出し右に曲がる球筋C2のスライスボールとなる。
- 軌道Cで向きAならば真直ぐ飛んで落ち際に左に切れる球筋B1のドローボールとなる。
- 軌道Cで向きBならば左に飛び出し左に曲がる球筋B2のフックボールとなる。
- 軌道Cで向きCならば真直ぐ右に飛び出す球筋C1の押し出しボールとなる。
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